仕事納めが終わったばかりのこの週末、さっそく年末の大掃除とお正月の用意に取り掛かった家庭も多いのではないでしょうか?
年の暮れの家庭催事として深く考えずに行っているようなところもありますが、もともとは年神様を迎えてお祭りするための日本の神事です。
毎年のことながら、一年たつとすっかり忘れてしまうお正月飾りのしきたりのアレコレを、忘備録替わりにご紹介します。
正月飾りの飾り方
正月飾りは「八」の末広がりに験を担いで28日に飾るのが良いとされています。
読み方から「二重苦」に通じる29日は避けた方が良さそうです。地域によっては餅つきなど正月に関する行為さえしないそうです。29日は掃除や買い物などした方が良さそうですね。
また31日は「一夜飾り」と言われて嫌われます。一晩しか飾らないのでは年神様が気付かないとのことですので、28日に間に合わなかった家庭は30日がラストチャンスになります。
飾りの種類
お正月飾りにも種類がいくつかありますね。それぞれどのように選んだらいいのでしょうか?
門松(かどまつ)・松飾り
神様に「私たちの家に来てください」と目印になる場所ということで、一般的には松の木を使って竹や梅をあしらう地方が多く見られます。
昔ながらの伝統的な門松は大きいので、今は居住地に合わせて簡略化した門柱や玄関の両脇に松の枝を飾る松飾りのあしらいが多くなりました。どちらも同じ役目を果たすものです。
しめ飾り
しめ飾りは、古い年の悪や不浄を祓い清める意味があります。ですから、神の宿る場所や各神の領域の入り口、つまり玄関や床の間、仕事場、台所、水回りなどに飾ります。
しめ飾りというのは、しめ縄で作られた飾りのことをまとめて言っていますが、一般家庭用には3種類あります。
- 玉飾り
- 輪飾り
- しめ縄
いずれも神様をお祭りする清らかな場所・不浄なものが入らないように、結界として飾ります。
床飾り
床飾りは、もともと神を祀る場所である床の間の飾りです。床の間、なければ家の中心リビングなどに床飾りを用意します。
正式には中央上部にしめ飾りを掛け、お正月らしい図柄や字句の掛け軸、中央には鏡餅、その上手(右側)に屠蘇器、下手には花を活けます。
現代風にアレンジするなら、鏡餅と干支にちなんだ置物などを置いてもお正月らしい雰囲気が出て良さそうですね。
鏡もちの飾り方
神様へのお供えである鏡餅は、しめ飾りや輪飾りを飾った場所に必ず供えます。
まず、三方に半紙二枚を十字に交差させて敷き、裏白というしだの葉を四隅に向けて置きます。その上に鏡餅を供え橙をのせますが、地方によって風習は様々です。
床の間以外の場所へは、半紙の上に餅を置いたり、三方代わりに白木の盆や杉板などを使ってもいいでしょう。
神棚の整え方
しめ縄は周囲の汚れを断つ神聖な場所に張るもの。
神の在所である神棚は、新しいしめ縄に張り替えるようにします。
最後に、飾りの外し方
一般的には1月7日の「松の内」期間中まで飾るものとされています。
地域によって風習が色々ありますので、その地に倣ってくださいね。
飾り終わった正月飾りや正月花は、可能ならば近くの神社へ納めたり、どんど焼きやお焚き上げで焼くことができれば一番いいですね。
もし近くの神社へ納めることができなければ、塩で清めて新聞紙などに丁寧に包んでから可燃物として処分しましょう。