暮らしのコラム

【40代50代の生前整理②】相続・遺産の管理はどこから始める?

いまの状態のままで、未来の相続人はあなたの財産が「どこ」に「どれくらい」あるか、全部わかるでしょうか?

遺品整理の難しさは、亡くなった本人しか情報がわからないところあります。

そもそも遺品の有無は本人しかわかりませんし、やり方次第では間違えて重要書類や価値ある物品を処分してしまうことさえもあるのです。

そこで注目なのが、40代50代と若いうちに始める「生前整理」です。

最近では、早めに始めることで無駄なコストをカット出来るなど、メリットがたくさんあることがわかってきました。

難しく考えることはありません!さっそくポイントを学んでいきましょう。

この記事でわかること

自分の財産を管理するために、手始めにすべきこと

自分の総資産を把握する

そもそも「自分の資産」について考えたこと、ありますか?

財産なんて大富豪でもないのに…などと思ってしまうのが普通です。

でも、そんなことはありません。

銀行口座、自分の持ち家、乗っている車、入っている保険、所有している会社の株…足してみると意外と驚く金額になってはいませんか?

その他にも、実は意外なところに資産が眠っていたりすることが多いのです。

全部の資産を書き出す

まずは、すべての資産を書き出してみましょう。

<資産にあたるもの>
・預貯金
・土地
・家屋
・車
・生命保険契約
・株式など有価証券
・美術品や貴金属
・会員権
・外貨
・親などから譲り受けたもの

気をつけたいものに「会員権」「私道」「借地権」などがあります。

会員権の代表的なものは「ゴルフ会員権」「リゾート会員権」など。こちらも相続することが出来るか、資産価値なども調べましょう。国税局「財産の評価」はとても参考になるのでおすすめです。

マイナスの資産も確認する

実は借金である「負債」も立派な資産
「住宅ローン」や「自動車ローン」「学資ローン」等も残高を確認しましょう。

他にも親戚や友人などから借りている借用金はありませんか?あれば、この機会に早い返済を目指すことが賢明です。

自分の死後に借金が残っていると、子供や孫などの相続人に「借金の返済義務」が移り、大きな迷惑をかけることになります。

なにより自分の信用問題に関わりますよね。率先して消化することをおすすめします。

資産を整理する

銀行・証券の口座を見直す

改めて見ると、銀行口座・証券口座など思ったよりもたくさん持ち過ぎていませんか?

この際ですから、現在使用していない口座や、運用に向いていないと感じる口座は処分しましょう!少なくまとめたほうが管理がラクになります。
銀行口座・証券口座の解約の仕方

タンス貯金(現金をタンスなどにしまっていること)もやめて、銀行口座に入金するか、せめて自宅金庫などに入れるようにしましょう。

せっかく貯めたお金なのに存在がわからなければ意味がありません。

なにより自分が総額を把握しやすくなりますし、あとに残された家族も相続しやすくなります。

また、あなたの休眠口座はありませんか?

金融庁によると、現在10年以上口座に入出金のない預金が1200億円もあるのだそう。本人も忘れている口座がたくさんあることが調査でもわかっています。

結婚前に使っていた口座、以前の職場で使っていた給与振り込み先など、忘れている口座など意外にあるものです。

思いがけない金額が残っていることもありますので、ぜひ確認してみましょう。
休眠口座はありませんか?忘れた口座の探しかた・復活方法とは

保険証書をファイリングする

保険証書はどのように保管してありますか?

実際は何が大事で必要なのかがわからず、ただひたすら全部保存しておく方が大半のようです。

どんどん溜め込んでるだけでは書類が大量になってしまって、いざという時に探せなくなってしまいます。

ではどうするのがいいのでしょうか?

わかりやすいのは、各商品ごとに「保険証書」「約款」「契約内容確認書」を一緒にファイルしておく方法です。

いちばん重要なのが『保険証書』で、ここに記されている番号と契約者名・受取人名をもとに保険金が支払われることになります。

『約款(やっかん)』は、保険の説明書にあたる分厚い書類です。今はインターネット上で確認することも出来るので処分してもOKですが、すぐ調べたいときなどはやはり紙の書類は便利です。

『契約内容確認書』は年一回ほど送られてくる、現況内容が記されている書類です。

証書以外は本当は無くても大丈夫ですが、金額や請求方法など調べる時には約款と確認書があるとスピーディーです。

生前整理の管理方法は、証書の置き場所と内容がわかるようにしておくことが一番大事です。

【書類をスッキリ】保険証書に最適!おすすめ整理ファイル術

不動産を調べる

マンションや戸建て、あるいはアパートや別荘を所有している場合には、まず持ち主を確実に証明することが必然になります。

不動産には登記済権利証があるので見てみましょう。権利証とは、不動産を買ったときに法務省から発行される書類のことです。

権利証には登記名義人や物件の内容が記載されているので、誰が不動産の所有者であるかを確認できます。

もし権利証を紛失して、見つからなかった場合には?

お住まいの市町村の役所で『名寄帳(なよせちょう)』という書類を請求して調査することが可能です。

『名寄帳』とはその人が所有している全部の不動産が記されている書類です。

名寄帳を市区町村役所から取り寄せると、その人が原則その市区町村内で持っている全部の不動産を確認することができて便利です。

断捨離して管理することが大事

断捨離とは、捨てるばかりを指す言葉ではありません。

お金の断捨離とは、無駄なものを廃し、必要なものだけを厳選することによってコストをカットし管理しやすい環境に整えることを指します。

使われていない口座、忘れられていた保険、支払いの滞っていた借入金、経営を見直したいアパートや貸家…等々。

年齢が若いほうが決断力があり、行動も早いものです。

シンプルな仕組みづくりは管理もしやすく、財産が整えられていると気持ちも晴れやかになりますね。

そして財産がきちんと整理されている旨を未来の相続人にそれとなく伝えておけば、相手もいくらか安心できるのではないでしょうか。

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