増え続けるインターネットのアカウント
使っていない銀行口座
押し入れの中の不用品、等々。
いつか整理しなくてはと思っていても、なかなか始められない方も多いのではないでしょうか。
「生前整理」では、持ち物は「モノ」「お金」「デジタル情報」の3つに分けて考えます。
私自身が親の遺品整理を通じて得たことも含め、40,50代から始める生前整理術を3回に分けてご紹介します。
第一歩目は「モノ」の片付け、暮らし回りのモノからです。
暮らし回りのモノとは
生前整理でいう「モノ」とは、
- 日常使いのモノ
- 思い出のモノ
- 相続するモノ
と考えると分かりやすくなります。
①日常使いのモノ
日常使いのモノとは普段の生活必需品です。
- 衣類
- 書類
- 家具
- 電化製品
- 日常雑貨
日常品の生前整理は、ズバリ『断捨離』片づけでOK。
不用品を処分することで、空いたスペースが出来て暮らしやすい空間に生まれ変わります。
その時に、一緒におすすめしたいのが「使いにくいものを替えること」。
重すぎる掃除機、大きすぎる食器棚、使いにくい物干しや高さが合わない椅子など思い当たる節があればぜひ。
使いにくさは生活しにくさですから、替えるだけで生活の質がぐんと向上します。
モノを減らして管理しやすくするのと同じくらい必要な事ではないかと思います。
②思い出のモノ
思い出のモノは、個人的な思い入れのある品です。
記念の写真や日記や贈り物など、プライベートな内容を多く含むことが多い品々を指します。
思い出品は、写真・旅行の写真や映像、記念品や好きな雑貨、プレゼントなど、プライベートな思い入れのある品です。
選別して量を減らし、コンパクトにしておきましょう。
雛人形や兜の節句飾りなども先祖代々の相続品でない限り、残すか処分するか考えてもよいかもしれません。
思い出系は一番放置しがちな分野ですが、真っ先に手をつけるべきです。
だって、一番プライベートな部分なのですから!
そして残された親族が最も困るのもこの分野なのです。
③相続するモノ
そして最後は相続するモノ。
代々受け継がれてきた伝統の品、価値の高い物などにあたります。
家族や親しい人に受け継いでほしい品がある場合は、保管スペースを決めて管理することが望ましいです。
相続には、宝飾・絵画・掛け軸・器などと言った伝来の品もあれば、秘伝のレシピや言い伝えなどの形に残らないものもあります。
心残りのないように、何があるのか、どうして欲しいのかを書面にして後世の貰い手にゆだねましょう。
出来れば、信頼できる人に内容を伝えておくとより安心です。
遺品整理と相続には「時間」が限られている!
知識として知っておきたいことに「遺品整理」があります。
どんな人でも何も持たない暮らしは出来ないので、死後に必ず遺品整理は必要になります。
それと同時に「相続」も必ず発生します。
そのときに生前整理をしているのとしていないのとでは大違い!
相続には「3ヵ月」という時間のリミットがあり、相続するかしないかを決めなければならないのです。
極端な話をすれば、借金(マイナスの財産)があったので相続権を放棄せざるを得ないと思っていても、遺品整理をして価値ある品々が見つかって相殺したら財産額がプラスになった!ということも珍しくないのです。
また、そこまで極端でなくても、本人しか知らない「隠し財産」や「しまい込んだ宝飾品」なども一緒に、家ごと解体してしまうことはよくあるようです。
遺品整理を専門業者に頼んだ場合は1LDK10万~、3LDKで20万~、1戸建て25万~とけっこう費用もかかります。
では生前整理をしていた場合はどうでしょうか?
相続品以外そのまま廃棄処分できますし、相続分もきちんと保管されていますからそのまま引き継ぐだけで良いのです。
死後まで自分のプライベートを守ることが出来るのも、生前整理ならではのメリットです。
モノを生前整理するということ
モノを生前整理するということは、死後の家族にかける心的・経済的な負担をなくすことに繋がります。
なによりも自分の暮らしがシンプルに整って、これからの人生をしっかり考えることの方が意義が大きいかもしれません。
自分が持っている財産を自分で把握し、今・未来とどのように役立てていくか。
そのためにもモノの生前整理は一番最初に取り組みたいことです。